2013年3月21日木曜日

ソフトバンク記者会見 質疑応答の要点


共同通信 高橋「ダブルLTEは順次とのこと、どのくらいの時間がかかるのか」
孫社長「まずは都市部の混雑エリアから、山手線駅周辺などのパケ詰まりの場所からダブル化、今月からさっそく数百ヶ所。今年の12月には大半でダブルLTEに」

経済界 村田「ダブルLTEはiPhone5以外のスマートフォンに対応するのか」
孫社長「もちろん拡大予定。必要なチップを搭載した端末を発売する」

フリー 石川「ダブルLTEのOSアップデートは?バッテリーは?」
孫社長「アップデートは不要、自動、バッテリーも同じ」

フリー 西田「通信状況の確認がヤフー防災を利用。利用許諾の文言が分かりにくい。自社に近いアプリケーションを利用したことでの調査の精度はどうか?他社との公平性はいかがか?」
孫社長「実際の防災にも情報は役立つ。繋がる、繋がらないに個人情報は取得していないのでユーザー側の不利益はない。あくまでiPhone, Android用のアプリでソフトバンクユーザーが有利になるものではない。開発は7〜8ヶ月前でそこから改善してきた。またスピード調査や天気予報アプリにも電波状況の報告機能を搭載していく予定」

フリー 井上「接続率は繋がる実感があるが、通信速度は数字の差ほど他社との差が体感できない」
孫社長「スピードチェッカーでは差が分かる。通常の利用(メール、Web)程度なら日本の高度な通信環境では差がかなり少ない。日本のユーザーには電波ネットワークに誇りを持って欲しい」

日経 川上「LTEの人口カバー率は?当初の目標は?その先は?」
孫社長「予定通り達成 91%の目標が90.5%になることは有り得る。殆ど達成している。前倒しで達成しているものもある」

日経コミュニケーション 堀越「パケ詰まりの原因は様々だが、どこがボトルネックと認識しているか?iPhone5向けに最適化されているのか?
孫社長「フルIPネットワークでバランス重視で構築。パケ詰まりの最大の原因は基地局の数、周波数がボトルネックになっている。小セル化で対応。iPhone5向けに通信特性をにらみながら先手を打って対応している」

「ソフトバンクの障害が少ないのは何故か?コアネットワーク側からの制御のノウハウはベンダーが貢献しているのか?」
孫社長「世界で最も混雑している場所(山手線内)でのノウハウを蓄積。多重の安全弁を仕掛けてある」

「個人宅へのルーター配布で実働数は?オフロード率は?」
孫社長「アクティブは二百数十万台、自宅からの通信は殆どオフロード。自宅でWi-Fiを使うユーザーは使わないユーザーの通信量の半分」

ブルームバーグ グレース「プラチナバンドの基地局建設前倒しの来期の設備投資への影響、ダブルLTEのサービス開始で新規顧客増加の見込み、スプリントネクステルの買収の進捗は?」
孫社長「CAPEX(設備投資の資本的支出)の上乗せは好業績のためバランスが取れている。CAPEXは来期がピークの予定。電波の悪さが解約の最大の理由、それが解消される。ユーザーが流入しやすくなるため将来的な利益に繋がる。スプリントの件は政府関連の手続き、経営陣との交流、情報交換も含めて順調」

フリー 不明瞭「キャリアの3社接続率などの比較、iPhone5での時間別、エリア別、ランドマーク別を詳しく」
孫社長「今日は発表していないが、iPhone5での比較では全体での比較よりも有利な数字が出ている」

フリー 石野「ダブルLTEの拡大、AXGPスマートフォンは終るのか?現時点での1.7GBが使える場所を具体的に」
孫社長「iPhoneユーザーが使える1.7GHzは貴重、この周波数はiPhone5中心に割り振る。それ以外はAXGPなどを積極的に使う。ダブルLTEは池袋周辺で既に体感可能」

フリー 小山「防災アプリの使用許諾内に基地局建設に使う文言はなかったが?」
孫社長「電波の繋がらない場所を減らすことが通信業者の防災であり、一番の使命である。そのため使用許諾に盛り込むことを検討」

「防災という意味でデータを他社に提供することは有り得るのか?」
孫社長「苦労して作り上げたものなので、検討する。慎重に取り扱う」

「ダブルLTEの基地局設置のポリシーは?2.1と1.7の併設か?」
孫社長「基本は1年後に3万ヶ所の予定。イーモバイルは8,000ヶ所の予定。混雑する都市部中心にダブルLTE化が実施される。原則として1.7がある場所には2.1がある」

インプレス 津田「国内他社もよくできているようだが、今後の差別化のポイントはどこになるのか?」
孫社長「LTE技術は世界的な標準であり、各社共に利用可能。一番の差別化は小セル化。それにはWILLCOMの買収が貢献している。」

NHK 安井「イーアクセスの買収なしでは繋がりやすさは実現できないか、電波を割り当てられたイーアクセスの買収は不公平ではないか」
孫社長「ユーザー数はグループでKDDIを追い越している。1.7GHzの電波を足しても他社より多いという訳ではない。700MHzはソフトバンクに割り当てられなかった。KDDIはイーアクセスに先に買収の申し込みをしていた。もしKDDIが買収していたらさらに不公平が広がっていた。現状はユーザー数と周波数の関連はより公平になった。イーモバイルのユーザーも結果的に良かったことになる。不公平に割り当てられたという意識はない。イーアクセス買収でダブルLTE可能になり繋がりやすさに効果絶大」

TBS 大鶴「政権交代の印象。景気回復、アベノミクスへの期待、業界、ソフトバンクの期待」
孫社長「非常にいいこと。景気回復への印象を持って動くことがいいこと。為替の是正がいい。ただ、三本の矢の「成長戦略」でITを成長エンジンにしてもらいたい」