2014年7月26日土曜日

ドコモのMNP改善は他社の脅威になりかねないレベル

ドコモの決算が昨日発表されました。その中で営業利益などの低迷が大きく報道されていています。しかし契約者数関連の指標はこれまでの低迷から脱しつつあると判断できそうな数字が並んでいます。iPhoneの取り扱いを始めてもなかなか改善しなかった数字ですが、ようやく新プランの発表やキャッシュバックの自粛といった要因が複合して効いてきた感じです。

契約純増数は前年の4~6月期の「9万増」から「46万増」に大幅に拡大しています。この改善の背景にはMNPでの解約数改善があったようです。前年同期間「41万契約の流出」から今年は「9万契約の流出」へと約32万の改善となっています。この32万が純増数改善に直接作用したと考えられます。


さらに月別のMNP概略のグラフを見ると月を追うごとにMNPでの契約流出が減っていることがわかります。6月にはプラスマイナスゼロ寸前まで来ています。近い将来、プラス転換も夢ではないと社長も発言しています。


このドコモのMNP改善の影響をまともに受けそうなのがソフトバンクとKDDIです。去年の4~6月、KDDIは24万、ソフトバンクは16万の契約流入となっています。もちろんこの契約者のプラスはドコモの41万という大量の契約流出を背景にしたものであります。

今年はそのドコモからの大量流出がほぼ止まったため、おそらくKDDIもソフトバンクもMNPでの流入数を4分の1程度(KDDI 6万、ソフトバンク4万)に落としてしまうのではないでしょうか。そして7月以降、もしかしたらソフトバンクがMNPマイナスとなる月が出てきてもおかしくはない状況も想定されます。