2016年2月10日水曜日

ソフトバンク第3四半期決算発表 孫社長の一問一答

ソフトバンクグループは2016年3月期第3四半期の決算を発表しています。この報告会はソフトバンクの現状を知る上で、非常に重要な場であり、記者やアナリストは孫社長に様々な質問を投げかけています。


質問者(フリーランス石野):ソフトバンク光に含まれるAirの割合は?2月からキャッシュバックや実質0円廃止の影響は?
孫社長:光がほとんど。
宮内ソフトバンク社長:ソフトバンクAirは15〜20%でハイスピードなネットワークです。1月末までキャッシュバック戦争、2月はガクッと減った。昨年に比べて激減というわけではない。シェアが上がってるのが実態。

質問者(フリーランス石野):実質0円がなくなる影響は?
孫社長:ユーザーに対して、良かれと思ってやった実質0円。これがなくなるのは改悪なのか、改善なのかは意見が分かれる。ソフトバンクの経営的には負担が減って悪くない。ユーザーには通信料金を安くすることで還元する。エントリーユーザーにはエントリー価格を、ヘビーユーザーには何GBをプレゼントで還元していく。結果的には良い方向に。

質問者(朝日新聞大鹿):ベライゾンが米国ヤフーの買収に関心。ソフトバンクの米国ヤフーに対する考えは?
孫社長:ベライゾンが買収しても困ることはない。Yahoo! JAPANのサービスは日本独自のコンテンツ、サービスで直接的な影響はない。ソフトバンクの子会社としてYahoo!JAPANを支援している。米国ヤフーはサブパートナーであり、その株主がまともな企業であればどこになってもネガティブな影響はない

質問者(朝日新聞大鹿):本社の海外移転は?
孫社長:日本での事業が大きくあるため、今はあくまで日本が本社の会社です。

質問者(日本経済新聞大和田):ペッパーの店頭販売が始まるようだが、今後の事業戦略は?ソフトバンクでんきの見通し、意義は?
孫社長:ペッパーは私の赤ちゃんのような存在。30年、50年、100年という息の長いビジネスで、今の段階で利益や販売台数を求めるのは時期尚早。ヒューマノイド型ロボットでは世界で一番売れていると思われる。200社がアプリケーションの開発に関与し、500社がペッパーを導入する稀有な存在。電力は9社が独占。これが自由化されることで、家庭で使われる様々なサービスをソフトバンクが提供できる。解約率低下にもつながる。社会的意義としても人々のライフスタイルに関わる電力がお客様が選択できる時代に意義がある。


質問者(モーニングプラス榎田):スプリントの株価、孫社長の自信とマーケットに差がある。株価反転のきっかけは?
孫社長:株価は市場が決めること。今まで長く会社を経営してきたが、いろんな凸凹があった。経営者として面白いなと思うのは、世の中の思っているイメージと自分のイメージにギャップがあるときはすごくやる気が出る。良い方向に手応えを感じている時、世の中の認識が遅れている時は経営者として心地よい。

質問者(モーニングプラス榎田):3ヶ月前、スプリントの再建には2年かかると言っていたが?
孫社長:早まると思います。かなり良くなったという感触があり、再建は早まる。

質問者(テレビ朝日シバタ):携帯電話実質0円の是正について、販売店への覆面調査や匿名タレコミの情報窓口の設置については?
孫社長:それはそれでいい。ただ特定の業界で、手取り足取りというのは如何なものか?iPhoneは6万円、10万円するが若者には負担が大きい。それが世界一安く買える日本はいいと思うが、いかんと言うなら我々は従う。

質問者(テレビ朝日シバタ):マイナス金利について、ソフトバンクへの影響は?借り入れは増やす?
孫社長:我々にとってはありがたい。投資を積極的に行っている会社であり、マイナス金利は歓迎。借り入れを増やすことは考えていないが、借入残高があるので金利が下がるのは歓迎。

質問者(野村證券マスノ):スプリントの株価がさえないのは?改善の方向が見えているのはわかる、償還に問題がないのもわかる。まだ純負債の増加が市場の不安を煽っている。どこで減るかを示すかも必要。いつ示せるか?
孫社長:スプリントも上場会社だから、スプリントが発表していること以外を申し上げるのは適切ではない。EBITDAが改善している。これが改善すればフリーキャッシュフローも改善し、最終的に有利子負債は減る。この順番。

質問者(野村證券マスノ):持ち株として海外投資の成果は株主に還元するのか。それとも再投資を行うのか。
孫社長:常に議論している。今日はそこまで。

質問者(東洋経済ヤマダ):経営不振の電機メーカーを買収して再建する気はないのか?
孫社長:事業領域が違いすぎる。想定はしていない。

質問者(東洋経済ヤマダ):スプリントのOPEXを削減する予定なのだが、何が減るのか?
孫社長:750項目を細かくやっているが、あらゆることを聖域なしに細かい積み上げで全部減らしている。人員の削減、プロセスの見直し、発注、オフィススペースに至るまで、すべて減らしている。逆に言えば今まではジャブジャブだった。

質問者(フリーランス鈴木);フィンテックの分野では他の会社への投資は?
孫社長:フィンテックはこれから伸びる分野として着目。ニケシュを中心に検討。金額とのバランスで決まるので具体的な会社名はコメントしにくい。

質問者(フリーランスコヤマ):月々割の減少でARPUの上昇も見込まれるが、ユーザー還元として通信料金の値下げはあり得るのか。
孫社長:真剣に検討はしている。具体的には、常に検討している。


質問者(ストックリサーチ):S&Pがスプリントを格下げした中で、米国市場の競争が厳しくなるとコメント。これについての見解は?
孫社長:常に競争があるが、少なくともスプリントは自らの経営にかける費用が大きすぎた。これを改善することで経営的に十分いける。ネットワークも改善できる。競合他社は巨額の利益を上げているが、ここから少しだけユーザーをいただいて、スプリントの改善につなげたい。

質問者(ストックリサーチ):スプリントのネットワーク、4社の中では人口密集地でナンバーワン、全国的には2位?ソフトバンクのネットワークも改善したと認識されるまでに時間がかかったが?
孫社長:日本はお互いに高い水準での競争。アメリカでは去年はダントツ最下位、やっと1位2位を争うところまで来た。しかし各社ともに低い次元での争い。ぶっちぎりの1位にならなくてはいけない。

質問者(モバイルビジネス通信アマノ):ワイモバイルの位置付けは?純増の割合は?
孫社長:ワイモバイルは価格が安い。実質的にはソフトバンクと同じネットワーク。品質は同じ。他社よりもはるかに安い。安くていい、Yahoo!JAPANとの連携が深くなっている。割合の詳細はコメントできないが、伸び盛り。

終わり。